電動リール事件の控訴審判決

投稿日: 2017/03/16 1:35:06

3月1日にブログに投稿した電動リール事件(東京地裁 平成27年(ワ)第3187号)の控訴審(平成28年(ネ)第10100号)の判決が出ました。地裁の判決言い渡しが9月8日でしたから控訴審判決まで約半年です。

この控訴審は一審原告が控訴したものですが、次のような結論で控訴棄却の判決です。

「当裁判所は、被告製品は本件各発明の技術的範囲に属するものの、本件特許1ないし3は本件各訂正によっても特許無効審判により無効にされるべきものと認められるから、控訴人は被控訴人に対し本件特許権1ないし3を行使することはできないものと判断する。」

一審と同様に特許無効というものです。以前のブログ記事で私個人は本件特許公報の図面に開示された発明の実施例の具体的構成と、乙18発明の具体的構成とを比較すると、操作部材の位置自体が異なっている、との考えは述べました。しかし、控訴人の主張を読むと私が考えていた相違点については主張されていないようでした。

 

本件特許の無効審判は未だ特許庁審判部で審理中です。もし本件について上告した上で、特許権者が新たな訂正をして請求不成立(特許は有効)という結論になったら大変ですね。